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部門紹介

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自主企画

コンペティション
Competition

我々が映画を観て共感し、反発し、感情を揺さぶられるのは、自分と同じ人間であるスクリーン上の人物の行動に対してです。そして、その人物の行動の背景が時代的必然性を帯びていることで、我々が覚える感情は深みを増します。さらに、その表現方法が個性的であればあるほど、感情が揺さぶられた記憶は、単なる娯楽や逃避の域を超え、芸術的感動として心と体に刻まれていくでしょう。
つまり、人間とは何であるかを徹底的に考え抜いていること、そこに今という時代が刻印されていること、そして、その現代性を芸術に昇華させる作家の個性が発揮されていること、この3点が見事に今年のコンペティションの15本に共通していることです。
特異な状況、あるいは特異になれない平凡な状況に置かれた主人公が、そこから脱しようともがいて奮闘する。郊外のドライブインでくすぶるトルコの少女の憂鬱や、上昇志向が強いが故に悪妻扱いされてしまう中国の女性の苦難や、自分が乗った船がハイジャックされてしまうデンマークの料理人の苦闘の背景には、世界経済の動向が多分に影響しているかもしれない。離婚した両親の間を行き来させられるアメリカの幼女の不幸や、死んだと思っていた母が突然現れる韓国の少年の困惑の背景には、現代家族の機能不全という傾向が影響しているに違いない。
2012 年という時代にふさわしいテーマと人物像を携えて、それを普遍的な「映画」として成立させる戦いに勝利し、自らの作家性をいかんなく発揮した15本の監督たちを、今年のコンペティションは祝福します。

第25回東京国際映画祭 コンペティション プログラミング・ディレクター

矢田部吉彦

特別招待作品
Special Screenings

特別招待作品は、今後公開される話題作をいち早く紹介する部門です。今年は、公式オープニング作品に、ジェームズ・キャメロン制作、アンドリュー・アダムソン監督の『シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語』を上映します。この作品は、世界的に有名なシルク・ドゥ・ソレイユの代表的な演目を織り込んだ、3D映画の新次元を切り開いた作品で、ワールド・プレミアでの上映となります。
また、今年も特別オープニング作品を上映します。作品は、『JAPAN IN A DAY [ジャパン イン ア デイ]』。今年の3月11日に収録された投稿映像を1本の映画にまとめあげた作品ですが、まさに、復興への道のりとしての今が息づく、東京から世界へ発信すべき意義のある作品です。そして、公式クロージング作品は、クリント・イーストウッド主演の『人生の特等席』。人生の黄昏を迎えた野球のベテランスカウトが仲違いしていた娘と共に最後のスカウト活動の旅に出る――、実に味わい深い、素晴らしい作品です。今年は、25回という記念すべき年であり、様々なタイプの作品を選定することを心がけました。これら多彩な作品群を、ぜひご堪能ください。

第25回東京国際映画祭 特別招待作品 プログラミング・ディレクター

都島信成

アジアの風
Winds of Asia-Middle East

「アジアの風」部門の合言葉は“より広く! より深く!”――このキャッチフレーズを掲げて6年目になります。今年もまた、ご近所の東アジアから遥かな中東・中央アジアまで、広大な地域から多くの秀作が揃いました。最優秀アジア映画賞に輝くのはどの作品でしょう。いま、アジア映画の勢いはとどまるところを知りません。韓国、中国、台湾、インド、トルコなどを中心に、製作本数は右肩上がりとなり、名だたる国際映画祭での受賞ももはや特別なことではありません。こうした活況を踏まえ、今年の「アジアの風」では、新作のパノラマに加えて、注目すべき作家・作品を輩出するインドネシア映画の現在進行形と、1960年代に一世を風靡した幻のカンボジア・ホラーの発掘という、東南アジア映画の現在と過去に光を当てるふたつの特集を実施します。ご期待ください。なお、これまでの「アジアの風」出品作を含め多くのアジア映画が網羅された書籍「アジア映画の森――新世紀の映画地図」(作品社)が刊行されました。「アジアの風」の絶好のガイドブックとしてご利用ください。

第25回東京国際映画祭 アジアの風 プログラミング・ディレクター

石坂健治

アジア中東パノラマ
Winds of Asia-Middle East - Film Panorama of Asia-Middle East

“ご近所”の韓国・中国から遥かな中東まで、広大な地域に爽やかな映画の風が吹きわたる。最優秀アジア映画賞は誰の手に!?

インドネシア・エクスプレス~3人のシネアスト
Winds of Asia-Middle East - Indonesian Express: Nugroho, Edwin and Riza

今世紀に入り年間製作100本を超える活況を呈するインドネシア映画界を牽引する3人の作家(ヌグロホ、エドウィン、リザ)をクローズアップ!シンポジウムを併催。  特別協力:国際交流基金

ディスカバー亜州電影~伝説のホラー&ファンタ王国カンボジア
Winds of Asia-Middle East - Discovering Asian Cinema: Golden Slumbers of the Cambodian film history

ポル・ポト政権以前の1960 年代、カンボジアは東南アジア全域に配給網を持つ一大ホラー王国だった!甦る幻の傑作が知られざるアジア映画史へと誘う。シンポジウムを併催。

日本映画・ある視点
Japanese Eyes

今年の日本映画の上映作品選定は、例年を大きく上回る力強い作品の数々に、目眩を覚えつつも嬉しい悲鳴とともに幕を開けました。
1990年代後半以降、日本の映画産業全体における日本映画の活況ぶりは目覚ましいものがあります。一方で、日本映画も、大作とインディペンデント作品に大きく二極化していることを肌で感じている方も多いのではないでしょうか。なかでもインディペンデント作品は、映画のデジタル化とともに自宅のPCで作品を完成することさえ可能となったいま、さらなる広がりをみせると期待されています。
「日本映画・ある視点」は、このようなインディペンデント作品を積極的に応援し、個性的な才能を発掘するとともに、国内外へ広く紹介することを目的とした部門です。
今回のプログラムでは、つわもの作家が独自のフィールドで手がけた奥行きある作品、若手作家が多くの力添えを得て作り上げた瑞々しい作品など、短編・中編・ドキュメンタリーを含め、映画制作の喜びに満ちた作品の数々を上映いたします。
日本発のインディペンデント作品発見の幸福を、ぜひ東京で体感して下さい。

WORLD CINEMA
WORLD CINEMA

今年のロッテルダム、ベルリン、カンヌ、ヴェネチア、トロントなどの国際映画祭で話題になった作品や、有名監督の新作で、原則として日本公開が2012 年8 月末現在で決定していない欧米の作品を集めたのがこの部門です。各映画祭の受賞作品や、個性派監督の問題作、巨匠監督によるドキュメンタリーなど、コアな映画ファンであれば見逃せない作品が揃っています。2012 年の世界の映画の潮流を、リアルタイムで堪能して下さい。

natural TIFF supported by TOYOTA
natural TIFF supported by TOYOTA

今年のnatural TIFF 部門は、従来の主軸であるテーマ「自然との共生」に加え、環境問題の過酷な現実にさらなる焦点を当てています。地球上における自然環境は、natural TIFF 部門が創立された5 年前よりも悪化し、環境問題はさらに深刻化していると映像は訴えます。地球温暖化によって美しい南の島が沈んでいく危機を目の当たりにし、世界規模で発生しているゴミ問題は地球の寿命を大幅に縮めているという現実を私たちに容赦なくつきつけます。しかし一方で、環境問題を見つめるたびに実感するのは、地球の美しい自然、人類が育んできた文化、そして共存している生物たちの豊かさです。イタリアの羊飼いが自然と動物と共存する素晴らしさに、スイスの山々で木霊するヨーデルの透き通った音色の美しさに、何度も感動するのです。地球が私たちに与えてくれる奇跡のために東京国際映画祭が映像を通じて伝えたいのは、環境問題と真剣に向き合い、地球と人類が育んだ尊い文化を愛することです。節目となる5 回目を迎えた今年は、自然と人類と環境問題をテーマにした地球愛に溢れる力強いドキュメンタリー8 作品をご紹介します。

特別上映 - TIFF 特別感謝賞記念
レイモンド・チョウ オールナイト
Special Presentation – Raymond Chow Special All Night Screening

香港映画界を代表するプロデューサー、レイモンド・チョウ氏の功績を称え映画祭は今年特別感謝賞を授与します。これを記念して氏が製作した3作品をオールナイト上映。80年代を沸かせたジャッキーとキョンシーの大活躍をスクリーンで今再び!

特別上映-審査委員長 特別オールナイト
コーマン魂
Special Presentation – Corman's Way

ハリウッドでもっとも才能に溢れた影響力のある映画製作者の一人、ロジャー・コーマン氏が、今年の審査委員長を務めることになりました。60年近くのキャリアの中で550以上の作品を製作し、50以上の作品を監督した彼の作品の中から、珠玉の3作品をオールナイト上映いたします。

日本橋で日本映画を観よう
TIFF in Nihombashi

日本橋にゆかりのあるクラシックスをはじめ、「日本人」のさまざまなあり方を見つめる新作ドキュメンタリー、日本人の姿を追求した新藤兼人監督の名作、さらにはひとりの日本人の人生の終え方を追ってヒットを記録した近年の話題作を上映する3 日間。日本橋で日本人の心に迫ります。

共催企画/提携企画

第9回 文化庁映画週間
Bunka-Cho Film Week 2012

文化庁映画週間は、優れた文化記録映画や映画界に永年功績のあった方々を顕彰すると共に、シンポジウムやトークイベントなどを開催し、あらゆる立場の人々が映画を通じて集う場を提供します。

[会期] 10月20日(土)~10月27日(土)
[会場] 六本木ヒルズ/シネマート六本木
[URL] http://bunka-cho-filmweek.jp/

みなと上映会
Minato Screening

子供から大人まで家族で楽しめるプログラムが毎年好評の「みなと上映会」。地元の自治会・商店街等で構成されるみなと委員会と映画祭の共催企画です。声優がその場でセリフの吹き替えを行う臨場感もお楽しみに。

[会期] 10月20日(土)/10月27日(土)
[会場] TOHOシネマズ 六本木ヒルズ/六本木ヒルズアリーナ

日米フィルムアカデミー
U. S. -Japan Film Academy

ハリウッドで活躍するプロデューサー、ジム・ウィテカーが初来日。最新作『リバース』上映あり、本場アメリカでの映画製作に関する白熱ディスカッションあり、世界の映画業界をめざす人たちに贈る一夜限りの特別企画。

[会期] 10月22日(月)
[会場] 六本木アカデミーヒルズ49 タワーホール
[URL] http://connectusa.jp/

第25回東京国際女性映画祭:フィナーレ
25th Tokyo International Women's Film Festival: Finale

「日本の女性監督の輩出」を目標に1985年から続けてまいりました本映画祭は、今回をもって閉幕いたします。幸いフィナーレに相応しい3作品が揃いました。長年のご声援に深く感謝しご来場をお待ちしております。

[会期] 10月21日(日)
[会場] セルバンテス文化センター東京 オーディトリアム
[URL] http://www.tiwff.com/

「今こそ、映画の力~TIFF/東北連携プロジェクト 映画『JAPAN IN A DAY [ジャパン イン ア デイ]』がつなぐ未来への一歩」
TIFF / Tohoku project - Japan in a Day, a single strong step which links us to the future through "The Power of Films, Now!"

特別オープニング作品『JAPAN IN A DAY[ジャパン イン ア デイ]』を題材に、東北会場と東京会場(六本木ヒルズ)をつないでのパネルディスカッション。“あの日”から1年、世界中の“今”は何を伝えうるのか…。

[会期] 10月22日(月)
[会場] 六本木アカデミーヒルズ49 タワーホール/東北大学 青葉山キャンパス
[URL]

映像シンポジウム
Symposium on Motion-Picture Filming

映画撮影に関するシンポジウムを2部構成で開催。フィルムとデジタルそれぞれの今後の展望や4K撮影など、デジタルシネマの最新情報などをご紹介します。

[会期] 10月25日(木)
[会場] 六本木アカデミーヒルズ49 ほか
[URL] CANON CINEMA EOS公式サイト canon.jp/cinema-eos

特集 アジア映画の森
The Forest of the Asian Cinema

アジア映画の本格ガイドブック「アジア映画の森――新世紀の映画地図」(作品社)が刊行されたことを記念して、TIFF「アジアの風」部門でこれまで上映された作品を多数含む、アジア映画の上映会。

[会期] 10月2日(火)~10月13日(土)
[会場] アテネ・フランセ文化センター
[URL] http://www.athenee.net/culturalcenter

『終の信託』公開記念 周防正行映画祭
Masayuki Suo FILM FESTIVAL

10月27日に最新作『終の信託』の公開を控える周防正行監督の代表作『シコふんじゃった。』『Shall we ダンス?』『それでもボクはやってない』を上映。監督、キャストによるトークイベントも開催。

[会期] 10月8日(月)
[会場] TOHOシネマズ 六本木ヒルズ
[URL] www.tsuino-shintaku.jp

コリアン・シネマ・ウィーク 2012
Korean Cinema Week 2012

2001年からスタートした「コリアン・シネマ・ウィーク」は今年で12年目を迎えました。今年も韓国映画の魅力を感じていただける多様なジャンルの日本未公開の作品を中心に優れた最新の韓国映画を上映します。

[会期] 10月20日(土)~10月23日(火)
[会場] 韓国文化院ハンマダンホール
[URL] http://www.koreanculture.jp/

ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 「フォーカス・オン・アジア」&ワークショップ
Short Shorts Film Festival & Asia "Focus on Asia" & Workshop

「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」がこれまでご紹介してきた作品を中心に、選りすぐりのアジア作品を一挙特別上映。同時開催のクリエイター向けのワークショップの講師に、映画『モテキ』の大根仁監督が登場。

[会期] 10月25日(木)~10月28日(日)<28日にワークショップ>
[会場] 東京都写真美術館ホール
[URL] http://www.shortshorts.org/

2012東京・中国映画週間
China Film Week in Tokyo 2012

2012年は日中国交正常化40周年という記念すべき年です。私たちは映像を通して日中の文化交流と観光振興の分野において、両国の真の友好関係と真の互恵関係が築けることを期待しております。

[会期] 10月20日(土)~10月25日(木)
[会場] 東京
[URL] http://cjiff.net/

新作映画イッキに見せます in 東京国際映画祭
Future Line-up Collection of Tokyo International Film Festival

「映画館に行こう!」実行委員会傘下の配給会社参加による向こう1年間の、ラインアッププレゼンテーション。映画館での映画鑑賞機会の増加とTIFFへの関心向上のための一大ファン・イベント。

[会期] 10月25日(木)15:30~
[会場] TOHOシネマズ 六本木ヒルズ スクリーン2
[URL] http://www.eigakan.org/movies/top

第6回 田辺・弁慶映画祭
Tanabe-Benkei Film Festival 2012

新人監督による作品を公募し、予備審査を通過した作品のコンペティションを実施。審査員には、映画有識者等で構成される特別審査員、キネマ旬報社が行う映画検定1級・2級合格者を映検審査員として迎え審査。

[会期] 11月2日(金)~11月4日(日)
[会場] 紀南文化会館
[URL] http://www.tbff.jp/

ポーランド映画祭2012
Polish Film Festival in Japan 2012

東京国際映画祭でもおなじみイエジー・スコリモフスキ監督監修によるポーランド映画の名作を一挙上映します。アンジェイ・ムンク作品を中心に、デジタル修復版を多く含むベストセレクション。

[会期] 11月24日(土)~12月7日(金)
[会場] 渋谷シアター・イメージフォーラム
[URL]

CineGrid@TIFF 2012
CineGrid@TIFF 2012

最新のICT技術に基づく協調作業環境、制作ワークフロー、アーカイブ技術について具体的な事例紹介とデモンストレーションを行い、世界中の有識者を招き映像制作配信の将来像についてのビジョンを紹介します。

[会期] 10月23日(火)
[会場] 六本木アカデミーヒルズ49 タワーホール
[URL] http://www.cinegrid.org/

映画産業とTV放送産業の経済貢献
Economic Contribution of the Japanese Film and Television Broadcast Industry

「映画」の持つ社会への経済貢献ついて考えてみます。今年、三菱総合研究所がおこなった調査・研究・分析をベースに、パネルディスカッションをおこない直接的な貢献や間接的広がりと将来予測などを論じます。

[会期] 10月22日(月)
[会場] 六本木アカデミーヒルズ49 オーディトリアム
[URL]

日本―香港間の地域協力
Regional Cooperation between Hong Kong and Japan

アジア、特に香港のコンテンツエンタテインメント産業の最新情報をご提供すると共に、香港と日本、特に北海道および九州との間で活発に行われている地域協力につき、事例を交えてご紹介いたします。

[会期] 10月23日(火)
[会場] ホテル日航東京
[URL]

JFC全国ロケ地フェア2012
JFC Locations Fair 2012

各地域のFCが一同に会し、地域の情報提供や撮影等に関するご相談に対応いたします。また、日経エンタテイメント!とJTBのロケ地の魅力紹介および自治体と映画を結びつけるマッチングセミナーも併催します。

[会期] 10月24日(水)
[会場] 六本木アカデミーヒルズ49 タワーホール
[URL] http://www.japanfc.org/

Green Energy Festa in TIFF
Green Energy Festa in TIFF

再生可能エネルギーの普及の意義や、普及させるための制度について、ショートフィルムを通して、参加者の皆様と一緒に考えるシンポジウムを行います。

[会期] 10月27日(土)
[会場] 六本木アカデミーヒルズ49 タワーホール
[URL] http://www.enecho.meti.go.jp/saiene/kaitori/index.html

KEIRIN.JP本映画祭は、競輪の補助を受けて開催します。TIFF History
第24回 東京国際映画祭(2011年度)