10/26(金)17:30開場/18:00開演、六本木アカデミーヒルズ49 オーディトリアムにて、東京学生映画祭25回記念上映会『学生×映画=∽ ~学生映画がつなぐ未来~』が開催されます。
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その上映会のゲストで、監督作『文金高島田二丁目』の上映も行われる小泉徳宏監督にTIFF応援団がインタビューを行いました。
学生ならではのインタビューをどうぞお楽しみください。
―どんな学生生活でしたか?
小泉徳宏監督:大学生のときにI’s filmという映像制作団体を立ち上げて、慶應大学のシネマ研究会にも所属していたので、主に映画制作を行っていました。
―映画に関心を持つきっかけは?
小泉徳宏監督:高校時代の国語の先生です。その先生から、夏目漱石の『こゝろ』という作品についてレポートを書くか、もしくは映画化するか、という課題が出たんです。そこで僕は、「レポートを書くのは面倒だ」という軽はずみな気持ちで映画化を選びました。時代設定を含め原作からの変更は自由というルールだったのですが、原作のまま明治時代の方がかっこいいなって。「明治なのにコンセント映っちゃってる!」とか言いながら撮ってました。今思うとレポートの方がよっぽど楽でしたね(笑)。それで映画の作り方を知って、これからは自分でもやってみようと思ったのが始まりです。
―先生の評価は?
小泉徳宏監督:苦労した甲斐あって高い評価を頂きました。(笑)
―それまでは何をされていたんですか?
小泉徳宏監督:テニスをやってました。プロテニスプレイヤーを目指すほど本格的にじゃないですが。(笑)
―アルバイトは?
小泉徳宏監督:テレビのカメラアシスタントのバイトをしてました。それで、なんとなくテレビは違うかなと思うようになりましたかね。(笑)
―学生時代から多くの映画祭に出品されていますがきっかけは?
小泉徳宏監督:どうしても学生映画は内輪で盛り上がって終わってしまう作品が多かったので、せっかく映画をつくったならたくさんの人に見てもらいたいと思ったのがきっかけですね。だから、映画祭にというよりはお客さんに見てもらうために出品してました。
―プロの監督になることを意識していましたか?
小泉徳宏監督:もちろんです。バリバリそういうことを意識してました。(笑)
―就職活動をされてるんですよね。
小泉徳宏監督:そうですね。映画監督になろうと心に決めてはいましたが、いきなり監督になれるとは思っていなかったので、今の会社(株式会社ROBOT)も含め広告代理店やテレビ局など、将来的に映画監督に繋がりそうな企業を受けました。
―好きなことを仕事にすることについて、悩んだりしましたか?
小泉徳宏監督:正直、就職活動をしていた当時は「好きなことを仕事にする」事がどういう事なのか、よく分かっていませんでした。「好きな事は趣味のままがいい」という話も当時からよく聞いてましたが、当たり前ですけどそれを実感した事がまだなかったので。好きなことが仕事になるって幸せだな、ぐらいに思ってました。単純ですよね。(笑)
―監督に関してプロと学生の時の違いは?
小泉徳宏監督:学生時代は物語の流れに沿って撮影していましたが、プロになると効率化を図るために物語の順序に沿わずに撮っていきます。だからいきなりラストシーンから撮るという事も起こります。あとは、撮影許可とかもありますね。学生だったら「ちょっと気分変えてあっちに行ってみよう」とか言って撮影できるけど、プロだと撮影するときは事前に撮影許可をとらないといけない。そういった部分は違うなと感じました。
―ほかには何かありますか?
小泉徳宏監督:覚悟の違いですね。学生の本業は勉強だし、アルバイトもデートもするので、映画作りに割ける時間は限られてくる。でも、今の僕は映画しかない。だから映画をよくするためならどんなことでもやる。例えば映画の題材に応じた勉強もするし取材もする。必要であればどんなところにでも行く。そういった映画作る上での覚悟は、自分の中で学生時代とは全然違ってます。
―学生時代からのつながりって今でもありますか?
小泉徳宏監督:それはありますね。友人がタレントのマネージャーになってたり、学生時代から俳優をやっていた人がテレビに出るようになったり。今でもそういったつながりがあるってことは素直に嬉しいですね。
―学生に向けて
小泉徳宏監督:社会に出ると作る物に色々な制限がどうしても出てくる。だからこそ、学生のうちに自分の発想を自由にもって思った通りのことをやってもらいたい。僕の場合、学生時代に自由に撮った作品が、その8年後にテレビドラマとしてリメイクされた事がありました。学生時代にやったことが、どんなきっかけを作るかわからないものです。だからこそ、自分の信じた事をそのままやってほしいですね。
インタビュアー:下野篤史、畑下由佳 TIFF応援団(学生メンバー)