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2012.10.20
[イベントレポート]
リドリー・スコットさんからのメッセージも!──10/20(土)特別オープニング作品『JAPAN IN A DAY [ジャパン イン ア デイ] 』:舞台挨拶

「今こそ、映画の力。 The Power of Films, Now!」をテーマに、10月20日(土)から28日(日)まで9日間にわたり、六本木ヒルズを中心とした会場が「映画」を染める第25回東京国際映画祭が開幕を迎えました。グリーンカーペット・ウォーク、オープニング・セレモニーに先がけて、20日(土)の午前からは「特別オープニング作品」として『グラディエーター』『プロメテウス』のリドリー・スコット監督が製作総指揮を務めた『JAPAN IN A DAY [ジャパン イン ア デイ] 』のワールド・プレミアが開催。舞台挨拶には、監督を務めたフィリップ・マーティンさんと成田岳さん、プロデューサーの早川敬之さん、共同監督を代表して、小泉徳宏さん、マイケル・ラーヴァンさん、相川博昭さんと息子の泰治くん、関根郁子さんが登場しました。
 
"japan in a day"

©2012TIFF
 
2011年の『LIFE IN A DAY 地球上のある一日の物語』でスコット監督が採った、、世界中から投稿された“ある1日”の映像を基に1本のドキュメンタリー映画として完成させるという手法を、日本そして世界が未曾有の脅威にさらされた“あの日”=2011年3月11日から1年後の“1日”に当てはめ、約8000本もの動画から1つの映画としてまとめあげられたのが、『JAPAN IN A DAY [ジャパン イン ア デイ] 』です。
 
投稿された膨大な量の動画を初期の段階から一緒に観たというマーティン監督と成田監督は、「その量に最初は圧倒されましたが、観ているうちに成田監督と自分が感じたことが同じ気がしてきて、これなら1本の映画にできる。同じ想いを託したものを作っていけると感じました」(マーティン監督)、「ディスカッションを積み重ねて、(映像を送っていただいた)皆さんの想いを大切にしようと考えました」(成田監督)と完成までの経緯を明かしました。

「『LIFE IN A DAY』の手法を、3.11でできないか?」と、スコット監督に打診した早川プロデューサーは、「『それはやる価値がある。すぐにやろう』と言っていただけました」と当時を振り返り、この日登壇できなかったスコット監督からの手紙を読み上げ、以下の言葉を客席に伝えました。
 
「リドリー・スコットです。『LIFE IN A DAY』を製作した当初は、この独特な表現方法がこれからどう発展していくのかまったく予想できませんでした。ただ世界の人々が生きていくさま、その素晴らしさを分かち合いたい一心でした。本作『JAPAN IN A DAY』も同じ製作方法で、悲劇の日から1年後、2012年3月11日の日本人のありのままの姿を切り取っています。すると、こちらの想像をはるかに超えるユニークで感動的で運命的な作品に仕上がりました。正直なところ、これほどまでに人々の心を結びつける力強い作品になるとは。嬉しい誤算でした。この美しいドキュメンタリー映画の製作に関わったすべての方々に感謝したいです。東京国際映画祭の特別オープニング作品という非常に素晴らしい日をともに過ごすことができず残念ですが、私の心は皆さんとともにあります」
 
その後は、他のみなさんによる舞台挨拶が続きました。「自分はプロの映画監督なので、あえて凝った映像ではなく、『日常を撮ろう』と、1月に生まれた子どもを中心に撮りました」という『タイヨウのうた』の監督でもある小泉さん、劇中で「ここ(日本)が僕の故郷だ」と語っている非常勤講師として日本で暮らすラーヴァンさん(「日本で恋に落ちて婚約者できましたから、このまま一生日本にいると思います」とのこと)、除染作業が続く福島の現状を伝えながら「子どもたちが健康で笑顔で過ごせるようにという想いから撮りました」と語った関根さん、そして『LIFE IN A DAY』にも出演し、「スコット監督には(当時)非常にお世話になったので、何かできないか」という相川さん。
 
相川さんと息子、泰治

©2012TIFF
 
ちなみに相川さんの息子、泰治くんは舞台挨拶中は終始ワンパクぶりを発揮していました。そのくせマイクを向けられると照れっぱなしで「いやだってばー」を連発。会場を和やかなムードに包んだことも付け加えておきます。

KEIRIN.JP本映画祭は、競輪の補助を受けて開催します。TIFF History
第24回 東京国際映画祭(2011年度)