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2012.10.27
[イベントレポート]
10/26(金) コンペティション部門 『メイジーの知ったこと』 記者会見のご報告

コンペティション 『メイジーの知ったこと』 記者会見のご報告
日時・場所:
10/26(金) 13:00~ @TIFF movie café
登壇者:
スコット・マクギー(監督)、デヴィッド・シーゲル(監督)
メイジーの知ったこと

©2012 TIFF

 
高校時代に1年程日本にいたことのあるスコット・マクギー監督が、まず日本語で挨拶し会場が一気に和みました。
 
スコット・マクギー(監督): ミナサン、コンニチワ!今日はこのプレスカンファレンスに来てくれてありがとうございます。日本語頑張って話します。忘れてるからごめんなさい!
メイジーの知ったこと

©2012 TIFF

 
デヴィッド・シーゲル(監督):  私は日本語は話せませんが・・・ここにいられることを光栄に思います。私もスコットも日本は久しぶりなので、今回は映画を持って来ることができて本当に嬉しく思っています。
 
Q:1897年に書かれた話を、現在の設定で映画化した意味をお聞かせください。
 
シーゲル監督: 私たちが台本を書いたわけではありません。映画製作者として、子どもの視点からストーリーを語るという試みを非常に面白いと思いました。ストーリーには、普遍的なテーマが盛り込まれていて、多くの人がこういった経験に共感できると考えました。この映画ではとある子どもの人生のある時点における経験が描かれているのです。
メイジーの知ったこと

©2012 TIFF

 
マクギー監督: 原作者のヘンリー・ジェイムズがこの本を書いたきっかけは、ある夕食会で誰かが親権を分けることについて話しているのを聞いたことだそうです。当時は親権を分けるどころか離婚すること自体があまり一般的ではなかった時代で、そんな話は初めて聞いたが何てひどい話だ、子どものためにもそんなことがあってはならないと思い、この小説を書いたとのことでした。その時代からは文化的に劇的な変化があり、離婚も親権を分けることもそう珍しいことではなくなりました。ですが時代背景は異なるものの、原作には人間関係が匠に描かれていて、設定が現代である私たちの映画にも反映することができました。
 
Q:メイジー役のオナタ・アブリールちゃんについてお話ください。
 
シーゲル監督: オナタは撮影時6歳で、今7歳です。演技の経験はほとんどありませんでした。驚いたのは、彼女の自然らしさです。あの自然な感じは彼女本来の姿であり、私たちが教えた演技ではないのです。映画でご覧いただいた通り、とても落ち着いたナチュラルな演技で撮影に挑み、誰もが驚かされました。リンカーン役のアレキサンダー・スカルスガルトの言葉を借りれば、「大人の役者が何年もかけて取り戻そうとしていることを、オナタは自然にやってのこける」のです。
 
マクギー監督: 撮影は7週間続き、しかも映画にオナタが出てこないシーンはありません。つまり、彼女はワンショットも休む間がなかったのです。でも素晴らしいスピリットと持ち前の明るさ、そして前向きな姿勢で毎日頑張ってくれました。とにかく皆を笑顔にしてくれる子です。彼女がいなければ、この映画を作ることはできませんでした。オナタは、私たちに与えられた贈り物です。
 
シーゲル監督: 通常のキャススティングプロセスで、キャステイングディレクターがオナタを見つけてくれました。実は、オナタの父方の祖母は日本人なので、彼女の4分の1の血が日本人です。
 
Q:母親のスザンナと乳母のマーゴは常に高級そうな服装を身に着けていますが、リンカーンはいつもブルーのTシャツですね・・・
 
マクギー監督: いや、赤いTシャツや白いTシャツ、フード付きのパーカーも着ていましたよ!服装はアレキサンダーのアイディアでもあるのですが、リンカーンをスザンナが決して結婚したいと思うような男ではない、素朴な人物として描きたかったのです。我々もこのアイディアに賛成しましたし、リンカーンをメイジーと自然なかたちで触れ合わせることができたと思います。
 
Q:ジュリアン・ムーアさんとの撮影はいかがでしたか?
 
マクギー監督: 彼女は、素晴らしく、仕事をしやすかったですよ。経験豊富で、非常に体系的に役に取り組む女優です。実は彼女が撮影に入ったのはクランクインしてから1か月経ってからでした。既にクルーもキャストもお互いを知りあうことができて心地よい関係が築けていたので、普通であればそんなところへ飛び込んでくるのはちょっと気まずいと思うのですが、彼女はとてもオープンでフレンドリーで、また、オナタにも以前に会っていたこともあって、すべてが上手くいきました。
 
メイジーの知ったこと

©2012 TIFF
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