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2012.08.30
[更新/お知らせ]
レイモンド・チョウ氏に「TIFF特別感謝賞」贈呈を決定!

記念すべき第25回東京国際映画祭の開催にあたり、第25回TIFF事務局よりレイモンド・チョウ氏(香港)に対し、第一回の映画祭開催から長年にわたり、TIFFならびに若い才能の育成発展に尽力頂いた功績をたたえるとともに感謝の意を表し、「TIFF特別感謝賞」を贈呈することを決定いたしました。
 
レイモンド・チョウ氏はゴールデン・ハーベストを設立し、ブルース・リー、マイケル・ホイ、ジャッキー・チェン、サモ・ハン・キンポー等のスターと共に世界各国で大ヒット作を手掛け、同社を香港最大の映画会社に発展させた名プロデューサーです。第一回東京国際映画祭のヤングシネマ部門の国際審査委員を務めたのを始め、彼が手掛けた『燃えよドラゴン』や『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』等の作品をTIFFで上映している、たいへんゆかりの深い映画人の一人です。
 
贈呈式は2012年10月20日(土)の第25回東京国際映画祭のオープニングセレモニーにおいて挙行いたします。
セレモニー後、深夜には、授賞を記念しレイモンド・チョウ氏が手掛けた豪華作品の上映「TIFF特別感謝賞記念レイモンド・チョウ・オールナイト ※詳細はクリック」も予定しております。
 
RaymondChow

photo by Carol Lau

 
レイモンド・チョウ メッセージ
 
第25回東京国際映画祭で特別感謝賞の栄誉を授かり身の引き締まる思いです。日本の友人たちに認めてもらえる大きな意義をもつ賞だと思います。
 
映画祭には人々を結ぶ重要な役割があります。映画製作者や配給会社などの関係者が旧交を温めるためだけでなく、映画ファンが国内外の優れた映画――なかにはあまり聞いたこともない遥か遠くの国の作品も――を観るために集まります。
 
東京国際映画祭は最良の映画祭のひとつです。東京という美しい街には東西そして新旧が見事に融合していますが、東京国際映画祭にも同様の融合があります。古典の名作から未公開の最新作まで、また日本及び世界中の映画人の作品が上映されています。そのマジックのように魅力的な舞台に私も関わることができ、とても幸せです。
 
私の映画人生で最も栄えある経験のひとつが、第1回東京国際映画祭の審査委員として招聘されたことです。赤坂プリンスホテルで、数多くの高名な映画人の方々と共にいた私自身の姿を今でも覚えています。審査委員長のブライアン・デ・パルマ監督をはじめ全委員が、それまでも互いのことを知ってはいたものの、初めて一堂に会し、映画について語る機会を得られました。何と素晴らしい経験だったことか。全員が映画と次世代の育成に情熱を傾けていましたので、翌年TIFFにヤングシネマ・コンペティション部門が創設されたことは大変喜ばしいことでした。審査委員の皆さんの深い見識に触れ、私の世界は広がり、より良い映画をより多く創ろうという思いに至りました。
 
大変恵まれていることに、私には数々の苦楽を共にした日本の友人たちがいます。私を信頼してくれ、ブルース・リーやホイ兄弟(「Mr. Boo!」シリーズ)、ジャッキー・チェンへの情熱を共有し、日本の観客に私の作品を観せる機会を作り出してくれたのです。長い年月が経った今も、よき友人たちです。すでに引退をした私にとっても、東京国際映画祭は友人たちと集う場であり続けています。
 
東京国際映画祭25回記念おめでとうございます!
 


 
プロフィール
 
1927年香港生まれ。幼少期に映画に恋し、上海の学生時代に映画製作に夢中になる。香港に戻って映画業界に入り、その後の活躍は周知のとおり。
 
映画業界で50年のキャリアをもつ。1970年にゴールデン・ハーベストを設立し、ツイ・ハークやジョン・ウー、メイベル・チャン、サモ・ハン・キンポー、ユエン・ウーピンなど国際的に名高いプロデューサーや監督と共に仕事をしてきた。2007年に引退するまでに800を超える映画をプロデュースし、ブルース・リー、ホイ兄弟(「Mr. Boo!」シリーズ)、ジャッキー・チェンらが主演した作品を世界中に紹介し、香港映画が世界の脚光を浴びる原動力となった。
 
香港映画や国際共同製作に加え、ハリウッドにも進出し、バート・レイノルズやチャールズ・ブロンソン、ロジャー・ムーア、ファラ・フォーセット、キアヌ・リーブスら国際的スーパースター主演の映画も製作した。1990年代には「ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ」シリーズを製作し、アメリカで興行記録を打ち立てた。
当時アメリカの最新システムだったシネマコンプレックスを、アジアに導入したのもチョウである。10スクリーンのイーシュン・シネマ(Yishun Cinema)が1992年にシンガポールで開館。その後すぐ香港、マレーシア、中国でシネコンをオープンさせた。
その他、映画界の様々な面でも先駆けとなった。香港に新しい撮影所システムを作り、中国本土出身ではない映画関係者として初めて中国本土の映画館建設のため招聘され、香港で初めてフィルムライブラリー権を売った。最新技術を好み、デジタル映画の可能性に強い関心を抱いていた。2000年代半ばには東京宝塚劇場の宝塚歌劇公演をデジタル配信し、香港の映画館で上映する試みを行った。
 
受賞歴も多い。1980年全米劇場主協会(National Association of Theatre Owners)“インターナショナル・ショーマン・オブ・ザ・イヤー”と台湾金馬奨の最優秀国際プロデューサー賞を受賞。シネアジア1996にて生涯功労賞(Lifetime Achievement Awards)、引退した2007年にはシネアジアで“ビジョナリー・アワード”、香港電影金像奨で生涯功労賞、香港劇場主協会(the Hong Kong Theatre Owner’s Association)から映画館業界の発展に対する功労賞を受賞。2011年、第5回アジア映画賞にて生涯功労賞を授与された。
 
映画業界のみならず、政府、国家からの叙勲もある。1998年香港特別行政区政府より金紫荊星章(the Gold Bauhinia Star)をはじめ、1987年に英国エリザベス二世女王より大英帝国勲章、1996年に日本の天皇陛下より瑞宝小綬章を授かった。
チョウは現在、ゴルフを楽しみ、ブリッジや碁に再び熱中し、読書や映画鑑賞にふけり、55歳の妻フェリシアと3人の孫たちと過ごすなどして引退生活を満喫している。

KEIRIN.JP本映画祭は、競輪の補助を受けて開催します。TIFF History
第24回 東京国際映画祭(2011年度)