1985年の誕生から、今年で記念すべき25周年。六本木ヒルズをメイン会場に、10月20日(土)から28日(日)の全9日間にわたる「第25回東京国際映画祭(TIFF)」が、オープニング・セレモニーとともに開幕しました。
オープニングセレモニーの冒頭、上映されたのは007シリーズ最新作『スカイフォール』の未公開映像。
映画祭ならではのリッチな企画に、今年からセレモニーの司会を務める笠井信輔アナウンサーもアゲ気味に会場を盛り上げます。
高らかに開幕を宣言したのは、依田巽チェアマン。枝野幸男経済産業大臣、ジョン・ルース駐日アメリカ大使ほか世界10ヵ国の大使、20ヵ国以上の来賓を前に、これまでTIFFを支えてきた関係各者への謝辞とともに「今こそ、映画の力。 The Power of Films, Now!」という今回のスローガンを発表しました。
また、昨年の東京 サクラ グランプリ作『最強のふたり』の状況を踏まえ、「『最強のふたり』が昨年の東京をスタートにして(本国の)フランス、ドイツで大ヒットしてヨーロッパを席巻しました。アメリカ、韓国、そして東京でも大ヒットを記録しています。ロジャー・コーマン氏の審査委員長就任もあり、今年のコンペティションの応募作は1,332本で昨年よりも36%アップ。第21回の倍の数字になっています」と、TIFFへの期待が国内外で高まっていることを明かしました。
挨拶に立った枝野大臣も、「1年ほど大臣を務めていますが、映画の力の重要さを再認識しています」と“映画の力”の重要性を述べ、「日本の芸能・文化が持つ日本的価値を世界の皆さんにお伝えして、産業の柱とするクールジャパン戦略」の重要なポジションを占めるのが“映画”であると語りました。そして、「映画の力を引っ張る最大のイベントがTIFFだと思います」と続け、「日本の映画産業をさらに発展させるために、少しでも役に立てないか考えていきたい」と政府としてのバックアップの意向を述べました。そして、「映画を愛する皆さんの力で映画を押し上げていただきたい。そして、各国の映画産業の方たちと良いところを認め合い、刺激しあって発展していくことをお祈りしたい」と結びました。
1985年のスタート以来、TIFFをサポートし続けてきた香港の映画プロデューサー、レイモンド・チョウ氏には、特別感謝賞が授与。ドクター・ストップのため残念ながら来日は叶いませんでしたが、ブルース・リー、ジャッキー・チェンを擁し香港最大の映画会社を築いた偉人の功績に、大きな拍手が送られました。
「コンペティション」部門、「アジアの風」部門、「日本映画・ある視点」部門、「WORLD CINEMA」部門、「natural TIFF」部門の各部門と各審査員の紹介では、世界中の映画人の尊敬を集めるロジャー・コーマン審査委員長が挨拶。「私は1994年にTIFFに来たことがありますが、それ以降の大きな成長は目を見張ります」と語り、「コンペティション作品は、まだ我々の誰も観ていません。素晴らしい作品が揃っていると聞いているので、9日間で審査していくのが楽しみです」と抱負を述べました。
その後は、オープニング作品『シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語』の上映にあたり、製作・監督・脚本のアンドリュー・アダムソンさん、製作総指揮のジャック・メテさん、主演のエリカ・リンツさん、オフィシャル・ナビゲーターの上戸彩さんによる舞台挨拶が実施。
「ずっとファンだったシルクの見事なパフォーマーを使って映画化したのは、とても名誉なこと」(アダムソン監督)、「映画化できたことはもちろん、それを皆さんと共有できることが素晴らしい」(メテさん)、「コロラド州で生まれ育って世界なんて知らなかった自分が、シルクを見たことで人生が変わった。そんな映画に出演できて光栄です」(リンツさん)、「映画には出演していませんが、一緒にグリーンカーペットを歩かせていただいて、これだけ注目されているんだと改めて感じました。ステージとは違う深いストーリーやお洒落な音楽もかかっていて、世代によって感じ方が変わると思います」(上戸さん)と、それぞれが魅力を語りました。
さらには、製作総指揮を務めたジェームズ・キャメロンさんからのビデオメッセージも上映され、「生き生きとした臨場感で、スローモーションやアップで衣装や表情がハッキリと見える」という、舞台では味わえない3D映画ならではの見どころを解説し、「日本が世界最速の公開です。(シルクという)最高のエンターテインメントを私たちの映画で楽しんでほしい」と、『タイタニック』『アバター』でもなじみ深いTIFFの観客に向けてメッセージを送りました。
本日20日より、東京がアジア最大級の規模で「映画」一色になる9日間。子どもから大人まで、「映画が好き」というだけで誰でも参加できる一大イベントに、あなたもぜひいらしてみてはいかがでしょうか。