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2012.10.23
[イベントレポート]
「モノを作り出す人たちへのリスペクトを込めて」―10/22(月)特別招待作品『牙狼〈GARO〉~蒼哭ノ魔竜~』:舞台挨拶

 2010年の劇場用長編第1弾『牙狼 ~RED REQUIEM~』に続き、オープニングイベントのグリーンカーペットに監督、主要キャストのほか黄金騎士ガロや新キャラクターたちも駆けつけ、会場を盛り上げてくれたチーム『牙狼〈GARO〉』。2005年のテレビシリーズから始まり、様々な展開を見せてきた『牙狼〈GARO〉』の2013年2月に公開される劇場長編第2弾最新作がいち早く観られるチャンスとあって、平日昼間の回にもかかわらずチケットは当然のようにソールドアウト。場内は牙狼ファンの熱気に包まれました。

 上映後の舞台挨拶には、雨宮慶太監督、主演の小西遼生さん、松坂慶子さん、久保田悠来さん、蒼あんなさんが登壇。劇中の衣装に身を包んだ小西さんに対し、客席からは「鋼牙!」と役名で呼びかけられることなどから、作り手と受け手が作品の世界観を愛していることが伝わってきます。
 

©2012 TIFF

 
 「平日なのにありがとうございます。面白かったでしょうか?」という雨宮監督からの問いかけに、客席は盛大な拍手で応えます。「テレビシリーズの『牙狼<GARO> ~MAKAISENKI~』という作品で『牙狼〈GARO〉』の物語は完結しました。あの作品を撮りながら、鋼牙が旅立った“約束の地”というエピソードを描きたいなと思っていたところ、こんなに早く撮るチャンスが来るとは(笑)。本作では、冴島鋼牙という騎士が、自分が持っている剣がなんのためにあるのかを考え、自覚する話にしたかったので、“ホラー”ではなく“人が作ったモノで、忘れ去れたモノ”を敵にして、鋼牙がそこで何かを掴むという話になりました。今年で8年目になるので、『牙狼〈GARO〉』シリーズには200人くらいスタッフがいます。これだけの人が集まって作った『牙狼〈GARO〉』を、一度リスペクトしたいと思ったんです。それはつまり、1作目から『牙狼〈GARO〉』を応援してくださったみなさんへのリスペクトでもあります。映画を作る人間は特殊ではなくて、仕事をして何かを作る人たちと地続きなんです。牙狼を通じてそこに着地できればいいかなと思いました」と、監督は本作への思いを語りました。
 

©2012 TIFF

 
 『牙狼〈GARO〉』の魅力のひとつが、最新のVFXを駆使したアクションシーン。小西さんは「今回は、1ヵ月間の撮影のほぼすべてがグリーンバックでした。監督から画コンテを見せてもらって、戦う相手の動きやリアクションを想像しながら演じているときは、頭が真っ白で、ただただ必死。完成した作品は自分の想像よりもはるかに凄かったです。監督の独創性が注ぎ込まれた相手と戦えてよかったです」と撮影を振り返りました。
 

©2012 TIFF

 
 “約束の地”の支配者・ジュダムを演じたのは大女優・松坂慶子さん。初めてのアクションへの挑戦を、「ずっとやってみたかったのに、誰も声をかけてくれなかったんです。だから、小西さんと戦うことができてとても嬉しかったです」とチャーミングに振り返ります。「監督が『モノを作る人へのリスペクト』と仰いましたが、撮影中や出来上がった作品を観て、その人がその人でいることが素晴らしくて、傑作でも拙いものでもオリジナリティのあるものを作ることが素敵なことだと教わった気がします。私もこれから、大いにオリジナリティのある面白い女優に、そして人間になっていきたいと思います」とフレッシュな決意を語ってくれました。
 

©2012 TIFF

 
 カカシ役の久保田さんは、そのユニークな演技で観客のハートを掴んだようです。役作りに関する質問に「田んぼに行って案山子を観察しました。以上です」と回答すると場内は大爆笑。「監督から好きに遊んでいいと言われたので、鋼牙との対比を意識しながら演じました」という発言に被せるかのように、小西さんが「パキーッ!」と、カカシの印象的な台詞を放ちます。すると久保田さんは阿吽の呼吸で「パキーッっつって」と返答。場内はさらなる爆笑に包まれました。
 全身がブルーのメルを演じた蒼さんは、「劇中で松坂さんに『うるせえババア』と言ってしまう台詞がありました。監督からも、世界中でそんなこと言えたのは私だけだと言われまして、本当にもう、そんなことは微塵も思っておりませんので、申し訳ございませんでした」と、この場を借りて松坂さんに謝罪。また、「shut up! bitch!」という通訳さんの言葉のチョイスに登壇者と観客が思わず爆笑する一幕もありました。
 
 マスコミ向けの写真撮影には、客席からの「ガロ~!」コールを浴びながら黄金騎士ガロが登場! 刀を振りかざすパフォーマンスを披露したり、カメラマンからの「笑顔で!」の注文に戸惑ったりと、場内を盛り上げます。
 
 最後に、雨宮監督から、新たなテレビシリーズを制作中であることが発表され、客席は大きな歓声と拍手に包まれました。「ただ、鋼牙の話ではありません」という発言に、小西さんファンからは落胆の声も……。「冴島鋼牙の物語は〈蒼哭ノ魔竜〉でおしまいです。“牙狼”を継承した、新しい魔戒騎士が主人公のドラマを、実は映画と同時進行で作っていました。もうすぐ新しいキャストが告知されます。新しい牙狼ワールドを楽しみにしていてください」と監督。「10年後か5年後かわからないけれど、鋼牙の物語をまた撮りたくなったら声をかけるんで、そのときは駆けつけてきてね」と監督にお願いされた小西さんは、「携帯電話を変えないでおきます」と宣言。「足かけ7年、鋼牙の生き様を撮れたので、すごく嬉しかったです。小西くん、ありがとう」と、ファンの前で感謝の言葉を述べ、監督と小西さんは固い握手を交わしました。そして監督から「君はゆるぎなくいなさい」と言われた黄金騎士ガロは無言で、しかし力強く頷いていました。
 

©2012 TIFF
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