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2012.10.28
[イベントレポート]
『もうひとりの息子』が「東京 サクラ グランプリ」と最優秀監督賞に!──10/28(日)クロージングセレモニー

 9日間にわたって開催された第25回東京国際映画際(TIFF)。その締めくくりとして28日にクロージングセレモニーが行われ、「東京 サクラ グランプリ」ほか各賞の発表が行われました。
クロージングセレモニー
 
 経済産業省 永塚誠一商務情報政策局長の挨拶に続き、次々と各賞が発表されていきます。TOYOTA Earth Grand Prix 審査員特別賞(『ゴミ地球の代償』)、TOYOTA Earth Grand Prix(『聖者からの食事』)、「日本映画・ある視点」作品賞(『GFP BUNNY―タリウム少女のプログラム―』)、アジアの風 最優秀アジア映画賞(『沈黙の夜』)。
そしてメインのコンペティション部門観客賞(『フラッシュバックメモリーズ 3D』)、最優秀芸術貢献賞パンカジ・クマール撮影監督テセウスの船』)、最優秀男優賞ソ・ヨンジュ未熟な犯罪者』)、最優秀女優賞ネスリハン・アダギュル天と地の間のどこか』)、最優秀監督賞ロレーヌ・レヴィもうひとりの息子』)、審査員特別賞(『未熟な犯罪者』)に続いて、「東京 サクラ グランプリ」の受賞作として発表されたのは──『もうひとりの息子』!
 
 監督のロレーヌ・レヴィさん、プロデューサーのヴィルジニー・ラコンブさん、そして出演者のジュール・シトリュクさんが登壇してトロフィーを受け取ると、最優秀監督賞との2冠を達成したレヴィ監督は「これは本当!? なんていい日!」と快挙に信じられない様子。「素晴らしい栄誉で本当に幸せ。この喜びを作品に関わったチームすべての人たちと分かち合いたいです。ありがとう東京!」と述べた監督賞でのコメントを振り返りながら、「先程お礼を申し上げた人たちに加えて、フランスにいる共同脚本家にもお礼を申し上げたいです。そしてこの作品をイスラエルとパレスチナの子どもたちに贈ります」と感動を伝えました。
クロージングセレモニー

©2012 TIFF

 
 「東京で2つも賞をいただけるなんて、信じられない出来事」とプロデューサーのラコンブさん。その彼女が「今では私の息子のようです」と称したシトリュクさんも、「まずは審査員の皆さんにお礼を言いたいです。映画祭期間中は優しくもてなしてくださってありがとうございます。今映画のことを考えているのですが、関わったすべての人たちへの感謝が湧いてきます。監督、ユニークな役を僕にオファーしてくれてありがとう。この役を通して素晴らしい体験ができました」と心からの喜びを語りました。
クロージングセレモニー

©2012 TIFF

 
 すべての賞の発表を終えて、ロジャー・コーマン審査委員長から伝えられた総評は、今年のTIFFのスローガンにも掲げられている「映画の力」に絡むもの。「どの作品も素晴らしく、それぞれの作品から本当の意味での“映画のパワー”を体験しました」と力作が並んだ15作品の審査に臨んだ感想が述べられました。そして、「異なった文化、異なった国・状況の作品1本1本から学び取ることが多かったのです。なぜなら、どこの映画であろうとその根底には“人間性”という共通のテーマがあります。そして私たちは誰しも素晴らしい人間性を持っているものと私は信じているのです。本当にありがとう」と続けました。
 
 クロージングセレモニーの締め括りには、2013年3月末で任期が満了するために今回が最後の映画祭となる依田 巽チェアマンが挨拶。「表現の自由を重んじるのがTIFF、文化に携わる者として、プライドを持って思う方向に向かって走ってこられた5年間だったと思います。グリーンカーペット、エコロジー、そして映画の力を信じてやってこられたのも、(人材が)充実した映画祭事務局員のサポートがあったおかげです。非常に達成感があります」と要職を務めた過去5年を振り返り、後任となる角川書店 取締役相談役の椎名 保さんを紹介し、挨拶を結びました。
 
 最後に審査員、各賞受賞者がステージに再登壇し、クロージングセレモニーは終了。公式クロージング作品『人生の特等席』と「東京 サクラ グランプリ」受賞作『もうひとりの息子』の上映をもって、今年も六本木、そして東京を映画で彩ったTIFFも閉幕を迎えました。

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