第24回東京国際映画祭に参加した映画人の皆さまからいただいた、TIFFに参加した感想などのコメントをリレー形式にて紹介します。
第7弾は、第24回TIFF コンペティション部門観客賞受賞『ガザを飛ぶブタ』のシルヴァン・エスティバル監督です。
『ガザを飛ぶブタ』は、第37回セザール賞の新人監督賞を受賞しました!
Q:TIFFに参加していかかでしたか?
シルヴァン・エスティバル監督:映画祭に作品が選ばれるのは初めてだったから、とても嬉しい驚きだったよ。
主演のサッソン・ガーベイ(※)に選ばれたと伝えた時、「最高の映画祭だから、絶対に行くべきだよ」と言われたんだ。
彼はイスラエルの舞台に出ているから残念ながら来ることができなかったけど、「本当に特別な映画祭だから」と何度も言われた。
人々はみんな優しく、ここに来ることができて嬉しいよ。この映画祭はとても良い雰囲気で、映画人と観客の間に素晴らしい関係を築いていると思う。
本当に観客との距離が近い。あんなに大きな会場(TOHOシネマズ 六本木ヒルズ Screen7)がほぼ埋まっていたこと、Q&Aでたくさんの観客が質問しようとしてくれたことには驚いたし、本当に感動したよ。
妻のミリアムと一緒に来ることができたこと、彼女が授賞式で泣いている姿にも感動した。
この中東の映画が選ばれたことにも驚いたし、日本から遠く離れた土地を舞台にした映画に皆さんが興味を持ってくれて、本当に嬉しかった。
また、ボランティアの皆さんにも感謝したい。常にみなさんが笑顔で働いているところも素晴らしいと思う。
本当に感謝しているよ。
Q:第24回TIFFのキャッチコピーは「信じよう。映画の力。」でした。これまでにエスティバル監督が感じた「映画の力」はありますか?
シルヴァン・エスティバル監督:映画は現実を変えることはできないと思うけれど、人々に希望を与えることはできると思う。
そしてその希望は、現実を変えるのに不可欠なものだ。僕たちは芸術的なものを作っているわけだけど、それも大切なことなんだ。
今年の映画祭のセレクションは、人々やその未来に希望を与えるような作品が多かったように思う。未来を担う人々に希望を運ぶことができたことは、とても重要なことだ。
大変な災害が起きた後、たった数ヵ月でこのような映画祭を開催したことに強く感動したよ。僕たちが「ありがとう」と言いたいのに、みんなから「ありがとう」と言われることにも驚いた。
そして、この映画祭は他の映画祭にはない考え方を持っていると思う。というのも、この作品は他の映画祭では選ばれず、初めて選んでくれたのがTIFFだったんだ。
例えば政治のような要因に影響されない、フレッシュなビジョンを持っていると思う。これは私たち映画製作者にとって、とても意味のあることだよ。
観客賞トロフィーを持ったシルヴァン・エスティバル監督(左)。右は監督夫人で女優のミリアム・テカイアさん。
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2011年10/30受賞者記者会見
2011年10/30観客賞授賞式
公式インタビュー
2011年10/29公式記者会見
2011年10/29上映後Q&A
2011年10/24上映後Q&A
コメント・リレー一覧:
第12弾 『U.F.O.』コン・グィヒョン監督&パク・サンヒョクさん&キム・チャンファンさん
第11弾 『ひとつの歌』杉田協士監督
第10弾 『J.A.C.E./ジェイス』メネラオス・カラマギョーリス監督&アルバン・ウカズさん&ケヴィス・パチョスさん
第9弾 『嘆き』モルテーザ・ファルシャバフ監督&シャドメ・ラスティン プロデューサー
第8弾 『キツツキと雨』沖田修一監督
第6弾 コンペティション審査委員、『ギリギリの女たち』小林政広監督
第5弾 『避けられる事』エドモンド・ヨウ監督
第4弾 女優/プロデューサー杉野希妃さん
第3弾 アジアの風審査委員、『歓待』深田晃司監督
第2弾 『鏡は嘘をつかない』カミーラ・アンディニ監督
第1弾 『ももいろそらを』小林啓一監督