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2012.10.27
[更新/お知らせ]
Vol.6『フラッシュバックメモリーズ3D』

まつゆう*の”東京国際映画祭”ビギナーズダイアリー
 
まつゆう*
 
 
東京国際映画祭、6日目。
パンフレットをいただいた時から「絶対に見たい!」と、決めていたコンペティション作品『フラッシュバックメモリーズ 3D』を鑑賞させていただきました。
http://2012.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=11
↑作品詳細、予告編などはこちらから。
 

追突事故で、高次脳機能障害を負ったディジュリドゥ奏者GOMA(ごま)さんの過去の映像を使い、今までの半生から事故、復帰までを振り返った作品。GOMAさんは、事故で過去の記憶を失い、約1週間くらいしか記憶がもたない。
と、いう状態の中で現在活動されています。
 

過去から、今へ。
記憶と時間を扱った作品なのに、この映画は私が生まれて初めて
 

「見ていて時間を感じない。」
 

と、思った不思議な感覚の作品でした。
 
 

必要以上に言葉を使用せず、GOMAさんのライブ映像と過去の映像を使い、記録や当時の日記を文字で読ませる。リズミカルなディジュリドゥの曲に合わせ流れるように過ぎていく時間。3Dというツールが、ライブしている『今と過去の記憶をフラッシュバックのように繋ぐ』。
クリエイターの方たちは、見ていてこの演出に触発される人が多いんじゃないかな?と思いました。私は人よりも「感受性が凄く強い」と言われるので、ピタっとはまってしまった映画はシンクロ率が上がって大変なことになりますが、まさにこれはそれでした。
 
 

演出は、画期的かつ先鋭的で、普通の人はディジュリドゥを音楽も初めて聞く方が多いかも?と思う作品ではありますが、テーマはGOMAさんの『奥さんと娘さんとの家族愛』。事故にあってからの家族の物語は大粒の涙がこぼれ続けとまりませんでした。
 

そして『記憶をどめること』ができなくなってしまってからのGOMAさんの葛藤。
これは、障害がうんぬんではなく、仕事や進路に迷い行き詰まっている人、この先の未来が不安でたまらない人、何かの病気と戦っている人…
そんな人達が共感し、前向きになれるきっかけになるのではないかと思いました。
「神様は乗り越えられる試練しか与えない。」
と、いう言葉を聞いたことがありますが、まさにその通り。
映画を見てからのお楽しみとさせていただきたいのですが、事故後、GOMAさんには新しい才能が開花していました。それがまた素晴らしいんです!
 
 

実は、私は10年程前からGOMAさんを知っています。
知り合いではなくて、ファンとして。
ライブも見に行ったし、路上で吹いている時にお話したこともあるし、直接CDを買わせていただいたこともありました。周りの友達は触発されてディジュリドゥをはじめた子たちまでいました。
 

GOMAさんは『映画のためにライブを撮影した日のことをもう覚えていない。』と、上映後のQ&Aで、松江監督が、おっしゃっていましたが、私は映画に出てきたGOMAさんの活躍の一部を生で見て覚えています。そして、この映画を見て過去の活躍を思い出し、今日見たことをこの先も覚えていることでしょう。

 
この映画を見て気に入る人が増えるたびに、GOMAさんがどんなに毎日を忘れたって、その分だけもっとたくさんの人がGOMAさんのことを知って行き、忘れない。それは、彼がみんなに勇気をくれたからだと思います。

 
映画が終わり会場は拍手の嵐。
上映後のQ&Aで最初に涙を流したGOMAさん。
私も恥ずかしながら最前列で号泣。
そして、私の後方でも泣いている女の子がいました。
まつゆう*
 

この作品を作りあげた松江監督は本当に凄すぎる。
心に響いてくる音楽のヴァイブレーションと3D演出は
『映画館以外では体感することができない』と思います。
 

私の人生の中で好きな映画ベスト3に早くも入ってしまいました。
一人でも多くの方にこの作品をご覧になっていただきたいです!

 
 

『フラッシュバックメモリーズ3D』公式サイト
http://flashbackmemories.jp
 

 
 
■まつゆう*
アーティスト / モデル / ブロガー / コラムニスト / プランナー
1998年より独自目線で「かわいい」をテーマにファション・ビューティ・カルチャーなどの情報発信を始め、ブログ・SNS・ストリーム中継などで活躍するデジタル時代のアーティスト。2008年には米Wired.comが「日本のセレブブロガー」の1人として紹介。Glam.comでブログが英訳・韓国語訳されている。Ustream映画番組『生シネ』(2010年~)でメインMCをつとめるなど、映画にインスパイアされたファッションやヘアメイク、雑貨についてのコラム執筆も多数手がける。著書に『iPhoneキレイ撮りカメラ入門』(共著:小学館)ほか
 
Official site : matsu-you.com
Twitter : twitter.com/matsuyou
 
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